Wimbledon Tennis観戦

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7月5日と7日、また先生たちのストライキがあったので、ウィンブルドン選手権を観戦しに行ってきました。朝6時半に家を出るつもりだったのですが娘がなかなか起きなくて、何度も根気よく起こそうと頑張るのですが

「わたしお留守番してるから2人(お兄ちゃんとお母さん)で行ってきて、、、むにゃむにゃ。」

と、ほんのり意識はあるものの、ベッドから起き上がる気配ゼロ。赤ちゃんの時は抱きかかえてバギーか車に乗せてしまえば連れて行けたのですが、大きくなってしまった今は重たくて無理。昨日遅くまで勉強していたからかわいそうな気持ちも。でも今日を逃したらもうウィンブルドンに娘を連れて行ってあげられるチャンスは無いかもしれないと思い、やっとのことで起こして出発したのが8時15分でした。

電車を乗り継いで9時40分にWimbledon Parkに到着。我が家は北ロンドン(NorthのNから始まる郵便番号)でウィンブルドンは南西ロンドン(SWから始まる郵便番号)なので同じロンドンでも近くないんです。それでも地方や海外からわざわざ泊まりがけでいらっしゃる方々のことを思えば恵まれています。

チケットを持っている人は並ばずに入場口に向かえばいいのですが、私たちは当日券狙いでチケットなしで来ているので、まずはWimbledon Parkのキュー(行列)に並びました。※7年前に夫とウィンブルドン観戦に来た時は抽選でセンターコートのチケット購入権が当選して正規の方法で購入して入場したのでセレブと同じ優雅な方法で入場できたんだなぁと今となってはあの時の自分がうらやましい。抽選で当たらないとチケットを買うことも出来ないし、転売チケットは数倍の金額で売られているので買う気になれないし。そういう庶民はこうして並ぶのです。

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行列に並ぶにも作法があり、Welcome to Wimbledon !と笑顔でスタッフが「行列の並び方」のパンフレットを配ってくれました。よくわからずにパンフレットを受け取っちゃって題名を見て息子が苦笑。ウィンブルドンの観戦について詳細が書かれたパンフレットだと思って受け取ったら行列の並び方かいっ!さぁ笑ってないで最後尾を探して並び始めるよー!

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普段は公園。この期間は特別なイベント会場になるWimbledon Parkは、前日夜からテントで待機して入場を待つ本気組(通称テント組)が張ったテントが草原の奥に綺麗に並んでいました。そしてキュー(行列)は続くよどこまでも。最後尾は大きな黄色い「Q」と一文字書かれた旗を持ったスタッフが目印です。ちなみに先程からキューとかQとか言っているのはイギリス英語で行列のことをqueue(発音はキュー)と言うからなんです。学生時代にアメリカ英語で行列はlineだと学んで、そのまま大人になってイギリスに来て初めてこの単語を言われた時は意味がわからず戸惑ったものです。

さて、列の最後尾に加わると私たちの後ろにもあっという間に行列がずらり。前にも後ろにも人だらけですが、いい具合に間隔があいているので窮屈な感じは全然ありません。広い公園のど真ん中だし、周りには仮設トイレや食べ物の屋台が出ていて野外フェスみたい。前のお兄さんなんて一人で寂しいから自分の前に並んでいる知らない人に話しかけて、そのうちに仲良くなって一緒にビール飲んだりし始めました。やがて整理券が配られました。

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11058という番号が書かれた整理券。しっかりした紙なので娘が入場チケットと勘違い。違うの。これは、Qチケット(苦笑)。本日の行列11058人目という意味なので、私たちの前に1万1000人以上並んでいるという事実を突きつけられ軽くめまいが。レジャーシートを敷いて座ってのんびり気長にいこう!おにぎり、サンドイッチ、お菓子、飲み物、トランプ、本、いろいろ持ってきていたので少しずつ食べたり飲んだり。でも途中で何度か雨に降られました。横殴りの強い雨が何度も。もともとそんなに興味がなく連れて来られた娘は"わたし帰ろうかな。一人で帰ろうかな。"と言い出す始末。これはアカン。

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雨がおさまった頃にスタッフが配ってくれた特別なステッカー。I queued in the rain(雨の中、行列で待った証)って書いてあります。ささやかな事だけど、こういう時ちょっと嬉しい。

実はこの日、私のテニス友達も何人か同じように来ていて行列の前の方に並んでいて、その中に娘の幼馴染ちゃんもいたので、そのママにこっそり携帯でヘルプ要請。幼馴染ちゃんが励ましに来てくれて娘の気持ちも少し落ち着き、笑顔になりました。そんなこんなで待つこと5時間。やっとのことで入場口へ。がんばったご褒美が用意されていて、写真スポット、ちょっとした景品がもらえる(かもしれない)ゲームコーナー、無料コーヒーなど。このコーヒーがおいしくて癒されました。普段はコーヒーを飲まない子どもたちもラテをお願いして飲んで、あまりのおいしさに感激していました。

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入場口でグラウンドチケット(£27)を買って、荷物検査場へ。真剣に荷物をチェックする眼差しが非常に厳しい。化粧ポーチの中まで開けて確認されました。娘のバッグはぬいぐるみがどーんと入っていたので、検査官のおじさんの表情が緩みました。後で知ったのですが、私たちが入場する直前にJUST STOP OILの環境活動家による試合妨害があったらしく、だから荷物検査があんなに厳しかったのね!と納得。

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中へ入ったら夢のような世界が広がっています。テレビで見る、あのウィンブルドンの雰囲気そのままに、生き生きとした会場全体がまるでテーマパーク。この週のために完璧な状態に調整された植物も見事に調和していて紫色や白い花がたくさん咲いています。ウィンブルドンのテーマカラーの緑と紫と白!美しい!この会場の美しさが他の四大大会と大きく違うところの一つなのだそうです。

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さぁ、いざコートへ急ぎます。先に入った友達が"3人分空いてるよ。こっちおいで。"と席をキープしていてくれて、No.4コートの最前列で3つも試合を観戦することができました。きれいに短く刈り取られた本物の芝生が見事です。ボールガール&ボールボーイは紺色のストライプ柄、グラウンド整備スタッフは緑色のストラップ柄で機敏な動きで仕事をこなしています。

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この日は日本人として望月選手の試合を応援できたことが嬉しかったです。あと一歩のところで負けてしまって残念でしたが、この試合は子どもたちの心に深く刻まれたはず。

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試合観戦後のお楽しみは名物のStrawberry & Cream(いちごの生クリームがけ)とPIMM'S(フルーツの入ったカクテル)です。これぞイギリスの夏。ウィンブルドンの夏。

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帰りはWimbledon駅までのシャトルバスに乗ってみました。周辺のお店がテニスボールいっぱいのデコレーションだったり花もいっぱいだったりで見ていて楽しいです。

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駅前の郵便ポストには手編みニットでかわいいキャップがかぶせてありました。コロナ禍に流行し始めてイギリス各地でたまに発見できるらしいです。

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