スコットランド旅行4日目

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いよいよ今回の夏休み旅行の目玉!スカイ島(Isle of Skye)に入ります。スカイ島への入り口は橋を車で渡るのですが、霧がかかっていて魔法の国の雰囲気たっぷり。まさにファンタジー小説や映画が生まれる世界観です。

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スカイ島は島の海岸沿いに舗装された道路があり、お店や住宅は一番大きな町Portree付近に集中しています。私たちは西側からぐーっと北上して東側を通って南下して、事前に調べてリストにしておいた行きたい場所を丸一日かけて車で周ることにしました。

まずはスコッチウウィスキー「タリスカー」の蒸溜所へ。リニューアルオープンしたばかりで古いのに新しい蒸溜所内。真っ白な壁にTALISKERの黒い文字が映えます。

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この辺りはウィスキーに欠かせない天然のピートが採れる上、最適な気候条件でおいしいシングルモルトのウィスキーが作られるそうです。残念ながら見学ツアーはだいぶ前から予約がいっぱいだったので売店だけウロウロしました。なぜかそれだけで十分雰囲気を楽しめて満足。

そこから北上していくルートをカーナビにお任せしていたら島の真ん中を通る道を案内されました。事前にネットで調べていた道と違うけど(?)冒険のつもりで行ってみよう!

ところが観光客が来ないような農場や丘や谷ばかり。どんどん険しい道になっていき道幅は車1台分がやっとです。すぐ横は崖なので緊張。対向車が来たら大変だけど誰も通らないから大丈夫。人が住んでいない。建物も何もない。そういう道がずーっと続いていました。あれ?何?

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牛さんたちが自由にウロウロしていて、何頭かがちょうど道の真ん中で立ち往生していました。ちょっとすいませーん。どいてください。

って日本語で言ってもだめか。英語で言ってもだめだ。クラクションを鳴らしてもエンジン音でアピールしても効果無し。動かずにじーーーっとこちらを見ています。レンタカーはMiniのCountry man。牛の目線の方が高いし大きさも負けそうな勢いです。たくさん集まっているから怒らせたら危険な気がして、じっと耐えること数分。ようやく一頭が動き出し、ほかの牛さん達もつられて動き出しました。あー、よかった。

その後も出会うのは主に羊、牛、また羊、そして牛。人間がいません!

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次の目的地Skye museum of island lifeに着きました。大昔、寒さに耐えながらここで生活していた人々の暮らしがわかる、、、はずでした。日曜は定休日だったー。外側から写真だけ撮りました。

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インターネットが使えないと、こういう事もありますよね。携帯もポケベルもない時代は、、、ってZ世代の我が子達に話す昭和な親です。

気を取り直して次の目的地Duntulm castleへ。スカイ島の最北端とも言える最果ての地にある城跡で、歴史好きの夫が見つけて行きたがっていたので特に何も考えずに行ってしまったのですが、

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倒壊している城跡。しかも海がそこまで迫ってくる崖っぷちにあり、安全性が確保できないので行かないほうがいいと!数々の伝説があり幽霊が出るらしいと!、、、全て家に帰ってから後で知りました。

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ネットで調べてよく読んでみると、大昔、窓から赤ちゃんが転落死し養育担当だった召使いが殺されて幽霊になったとか怖い話が色々出てきます。古すぎてどこまで本当かわかりませんが。

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思い返してみると、そういえば周りには物珍しさで訪れているような若い人が多かったです。入り口は閉まっていて横に壊れたゲートがあり、自己責任で裏から入っちゃう感じだったのが、心霊スポットとして人気が出てしまったのだと思います。

この時とっくに午後2時を過ぎていてレストランもコンビニも自動販売機もないので、持ってきたお菓子を食べてここでのんびりしてしまいました。知らないってこわいですね。このブログで紹介してしまいましたが、日本人が観光で行くには危険すぎるのでおすすめできません。

次のKilt rock & Mealt fallsは、崖は崖でもちゃんと整備された観光スポット。直接ドドーっと海に流れ込む滝は珍しいのだそうです。

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ここだけ日本国内の観光地のような雰囲気がしました。相変わらずの無料駐車場と無料観光名所(スタッフ0、お店0)ですが、観光客が多すぎて渋滞が起きていて違和感。

次に人気観光地のOld man of storeでハイキングする予定でしたが大雨になってしまって断念。

さらに南下して海辺の町Portreeに着きました。スカイ島で最も栄えている町です。お腹ペコペコの私たちは美味しいシーフード食べたいなぁ〜なんて贅沢なことを考えながら人気店を当たってみます。が、どこもClosedの看板!時計は午後3時。ちょうどランチタイムとディナータイムの営業時間の狭間に来ちゃったんですね。ディナータイムは17時からのお店がほとんどで、空腹を耐えながら歩き回ること40分。希望を失いかけていた頃に16時から開くお店を見つけて入りました。Dulse & Brose Restaurantです。

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Fish and chipsを注文したらサクサクで絶品!レモンを布ガーゼで包んで檸檬色のリボンで縛るあたりも品の良さを感じます。大声でおすすめしたい!Dulse & Brose!店内のインテリアも素敵です。もう一度スカイ島に来ることがあったら、またここで食べたいです。

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スカイ島、最後を飾るのはFairy pools。フェアリー(=妖精)の住む水辺と翻訳したらいいのでしょうか。荒々しい岩肌の山からサラサラと透き通った小川が流れてきて風光明媚なハイキングコースになっています。

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写真に収まりきらないのですが、360度こんな感じです。問題が一つだけ。ミッジの存在です。日本の蚊よりも小さくて、うっかりすると口や目や鼻の中にまで入りそうな勢いです。

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行く前にネットで調べてミッジ対策の防虫クリーム「smidge」を買っておいたので、手足や顔など肌を露出している場所に塗りまくりました。それでも来る!数秒立ち止まっただけでとどんどん集まってきます。来るけど噛まれにくいです。私と娘は時間をあけて合計3度塗りしました。息子は2度塗り(塗る前に少し噛まれた)、夫はハーフパンツなのに脚に塗らなかったので、脚だけ十数箇所噛まれて数日間赤く腫れていました。

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夫も私も「ミッジさえいなければね、、、」と繰り返していましたが、子供たちから意外な言葉が返ってきて気がつけば生態系についての議論に話が及んでいました。生態系はまだ人間によって解明されていない部分が多く、例えば人間の力でミッジを絶滅させてしまったとすると、その生態系の循環のバランスが崩れて、昔からその土地にいる動物、植物、微生物、土、水、あらゆる自然のバランスが崩れ、やがて別の生き物が絶滅、さらに別の生き物が絶滅と、負の連鎖が止まらなくなるそうです。

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「ミッジさえいなければ」もうここは人間にとって100点満点の楽園です。ですが、ミッジはその楽園で逞しく生きるスパイスのような存在。あるいは生態系のサイクルの一員を担う大切な存在かもしれません。子供たちの言葉のお陰で、私たち人間はその大自然に少しお邪魔するだけに留めるべき、絶対に壊してはいけないと改めて思いました。