複雑すぎる荷物の仕分け

海外への引越し(とりわけ日本から遠い国への引越し)で特に大変なことの一つが荷物の仕分けです。

何がそんなに大変なのか、というのを簡単にご紹介します。

 

まず、国内の引越しでは考える必要のない以下の分類が必要になります。

①手荷物として飛行機に乗る時に持参するもの

②航空便で運ぶもの(到着まで約1~3週間かかる)

③船便1で運ぶもの(到着まで約2~3ヶ月かかる)

④船便2で運ぶもの(同上)

⑤倉庫に預けるもの(日本で帰国までの間ずっと保管しておいてもらう)

⑥実家に預けるもの(観葉植物や、息子が先行帰国した時に使う自転車など)

⑦廃棄処分するもの

 

これをさらに細分化すると、

①手荷物は、預け荷物に入れないと没収されてしまうような液体類、はさみなどを入れたスーツケースと、座席まで持ち込む貴重品などを入れたバッグに分類し、持ち込み可能な制限内に納める。

②航空便は載せることができる容量・内容物の規定が厳しいので、十分注意しながら重量や容積を超えないように調整する。

10年前はロンドンに1週間で届いた航空便が、現在は2~4週間かかると言われて衝撃を受け、航空便に入れるものを見直す必要が出てきてしまいました。

(航空便を2回に分けることもできると言われたけど、全体量が増える訳ではないのでやめました)

③船便1は船便全体の70%を目安に送りました。主に現地ですぐに使いたいもので、日本では無くても何とかなるもの。重たいものや大きいもの、デスクトップPCなどの精密機器は基本的に船便。逆算して約2~3ヶ月前に搬出するのがベストですが、そう思い通りのスケジュールにはなりません。

④船便2は主に日本でギリギリまで使いたくて、現地ではゆっくり到着すればOKなもの。もうこれが届くのは自分たちのフライトの3ヶ月後なので、忘れた頃にやってくる系。よく駐在員の会話で「何を入れたのかさっぱり覚えてない。」と笑い話に使われる。五月人形など季節モノで、ゆっくり届けば間に合うようなものなら船便2でOK。現地の生活ですぐ必要なものを船便2に入れてしまうと、待ちきれなくて船便2が届く前にとっくに現地調達しちゃって、同じモノが2個になるという残念な結果になりやすいです。

⑤倉庫に預けるものは思い出系や大きすぎる家具・家電。海外のほとんどの国では日本と電圧が違って変圧器が必要になるので、日本の家電はほぼ置いていくか処分したほうが無難。今回は炊飯器やホットプレートなど調理器具はキッチンに変圧器を置いて使いますが、その他の家電は、ほぼ倉庫行き。

日本に帰国したときに一番早く手元に戻ってくるので、倉庫に預けておいたものは実は帰国後にとっても助かります。

その反面、海外にいる間に倉庫の中身はすっかり記憶から消えてしまうので、駐在員なら誰しも一度は「一体何を預けたんだっけ。」となるので注意。

駐在期間が長すぎると浦島太郎の玉手箱状態になり、帰国後の新生活に使えそうなものがほとんどなく、家電も壊れてしまっていたり、当時は必要と思ったモノが自分たちの状況の変化に対応できず「ゴミばかり」と表現される事態に陥る家庭も少なくありません。

⑥実家行きは、これまたよく考えて送らなくてはいけません。

実家の両親だって年々状況は変わっていくので、安易に実家へ送ってしまうと迷惑をかけることになります。例えば前回の赴任で大きな家具を実家で預かっていてもらったら両親が引越すことになり、その家具を置く場所がなくなって困ったことになりました。

通常、倉庫は赴任の途中で出し入れが出来ないのですが、特別に倉庫に追加搬入させてもらって難を逃れたものの、今後は絶対に避けたいです。

⑥廃棄するものって、ただ捨てればいいだけじゃありません。

今回メダカは引き取り手を探し中だし、燃やせるゴミ・燃やせないゴミの袋に入りきらない大型のものはクリーンセンターに持ち込みするか、車にも載せられないような大きい家具は粗大ゴミシールを貼って、引取日時を予約して、自治体のトラックで引き取りに来てもらう必要があります。

さらに、まだ使える勿体ないものはフリマサイトで売ったり、知り合いに譲ったり。

自治体の粗大ゴミとしても引き取ってもらえないようなもの、例えばパソコンは家電量販店に持ち込み、小型家電は自治体のリサイクルBOXへ。

大きすぎるベッドやマットレス自治体の粗大ゴミの規定を上回っていたので、今回の引越し業者さん提携のところに追加料金を払って引き取ってもらうことになりました。

 

海外引越し、よく発生する「あちゃー」な失敗

第一位:まだ日本で使うのに船便1に入れて送っちゃった!

第二位:日本から持ってきたけど、必要なかった。邪魔なだけ。

第三位:倉庫に送っちゃったけど、持ってくればよかった。

第四位:引越し当日、分類がきちんとできていない曖昧な部分が!「お客様、これどうしますか?」と作業の人に聞かれた時の変な汗は忘れられない。

第五位:どさくさに紛れて捨てたと思われる家族のもの、後で「アレがない!」と言われて大慌て。買い直す羽目になるパターン。

 

そして我が家はいま、船便の規定量をオーバーしそうなので捨てるか倉庫行きに回すか、何らかの方法で船便に載せる全体量を減らさなきゃいけない局面に立たされています。

1回目の船便搬出の時に梱包を業者任せにせず、スペースに無駄のないように自分たちである程度段ボール箱に詰めておけばよかったと後悔しています。かなり過剰と思える梱包だったので無駄なスペースがいっぱい取られてしまったみたい。船便の2便目に送る荷物はできるだけ自分たちで詰めて容量を節約しようと心に決めました。