Tate Britainガイドツアーに参加

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テート・ブリテンは、現代アートの美術館であるテートの美術館(来週16日からリニューアルのため休館予定のTate Liverpool を合わせて四つのテート美術館シリーズ)の中でも最初に設立され、且つ英国または英国に関係するアーティストの名画や彫刻を集めた美術館です。

何も知識がない状態でただ見学しても十分すばらしい美術館なのですが、今まで2回ほど来たことがあって、この絵、いいな。好きだな。あ、この絵知ってる。教科書に載ってた。その程度の知識ではぼんやりしていて数ヶ月もすれば残念ながらほとんど忘れてしまい、ごめんなさいという感じでした。

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今回プロのガイドさんに楽しむポイントや付随する情報を教えていただきながら鑑賞した場合どうなるか。もしかして5倍ぐらい楽しめるようになるかな、と予想して参加してみたところ、15倍ぐらい楽しめることがわかりました!

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知れば知るほど奥深い。もっともっと知りたくなる。絵画の内容が歴史的背景と密接に関わっていることも多く、イギリスの歴史が少し分かっていると、なぜ宗教画がないのか、時代によってなぜこんなに違うのか、などなど色々なことが分かってきます。

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ターナー専用の展示スペースが設けられているのもテート・ブリテンの特徴と言えます。娘のお迎えがあって全ての部屋は行けなかったのですが、今度ターナーだけのために再訪しようと思ったぐらい。

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そして何と言っても私の一番のお目当てはミレーの『オフィーリア』でした。これを見るために前回家族で寒い強風の日にわざわざ来たのにちょうど別の美術館に貸出中か何かで不在だったオフィーリア。やっと本物をこの目で見ることができて感激でした。

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さらに、つい先週リニューアルオープンしたばかりの階段踊り場付近には、大きくて鮮やかな壁画が。悲しそうな男性の手にある燃えたビルが見えた瞬間、「あっ!」これは!と思いました。

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この作品は2017年6月14日に発生した高層公営住宅「グレンフェル・タワー」火災がテーマになっています。外壁の建設材料が非常に燃えやすい素材でできていたことが被害を拡大させた大きな原因だと言われていて、犠牲者72人の悲惨な火災のニュースの映像が目に焼きついていました。Chris Ofilliというアーティストが、火災で犠牲になった未来あるアーティストの一人であったKhadija Sayeと出会い意気投合したのが2017年の5月のヴェネチアでの展覧会だったそうです。そのたった1ヶ月後にGrenfell Towerの火災でSayeが亡くなったことがわかり大変ショックを受けたChris Ofilliがレクイエムという題名で先月(9月に)完成したばかり。入り口に扉があって少し分かりにくいかもしれませんが、一見の価値ありです。

この美術館の近くはテムズ川が流れ、とても素敵なところです。パブ(日本で言う居酒屋さん)も花がいっぱい。ツタの色が紅葉してきて秋らしい風景が楽しめました。

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