12月に入る前から元旦をどうやって過ごそうかと考えていました。
実家に帰省は無理で、自宅で日本らしいおせち料理を準備できる自信はなく、泊まりがけの旅行もまだ控えた方がよさそう。
そこで思い立ったのがロンドン市内で楽しめるミュージカルです。
元旦の日だけ、同じ席でも他の土日よりちょっとお値段が控えめだと気が付き、娘が観たがっていたライオンキングを2枚予約しておきました。
(前回ロンドンにいた時に息子と私は観たことがあり、その時は娘が年齢制限で観ることが出来なかったので、今回は娘とパパの2人分です)
そして私と息子は、劇場近くのアイススケート(Somerset House Ice Rink)を予約しました。
お互いに楽しみで当日を迎えようとしていたところ、12月中旬頃からライオンキングのスタッフや出演者がコロナの関係で足りなくなり、中止が相次ぎ開催が危ぶまれました。
もう無理かと思っていたら12/28から上演再開。ホッとしたところで今度は前日にアイススケート場からメールが。
「またコロナか。」
と思ったら、こちらは氷の問題でした。このところ気温が高すぎて、風も強い日があって氷がとけてしまい、アイススケートをするための十分な氷が準備できないとのこと。
たしかに昼間14度、夜でも10度前後の日が続いていて、温暖化の影響を感じていました。
ガッカリした私と息子は、同じ時間帯に近くの劇場で何かないかと探して
『オペラ座の怪人』
の席が取れることがわかりました!
英語の台詞が聞き取れない可能性のある私(苦笑)は事前知識を予め確認しておき、逆に息子はストーリーをあえて知らない状態で(その方が楽しめるということで)挑みました。
劇場に入る際はワクチン2回分の接種証明かコロナの検査で陰性という証明書のどちらかをスタッフが確認して入場します。
私たちは日本の接種証明も当日の朝にテストした陰性証明もどちらも一応持っていきました。
劇場は普段の週末より少し空いていて、空席が目立っていました。
Her Majesty's Theatreは1986年からずっとオペラ座の怪人を上演している劇場(世界で最初にオペラ座の怪人が上演されたのがこの場所)ということで、装飾や舞台装置など伝統的な古さと近代的な装置が融合していてとても華やかです。
観ている途中でふと、これオーケストラの生演奏で、目の前で歌ってるんだ。録音や録画じゃないんだ。って、当たり前ですが信じられないような気持ちになりました。
最近はあまり生の演奏や演技を目の前で観るというチャンスがなかったので、この感動は言葉に表せません。シャンデリアが動く部分も迫力いっぱい。
ところが上演が始まってまだ最初の方、オペラ座の怪人が出てくる前の段階でまさかのアクシデントが。
何が起こったのか未だに謎ですが、一旦幕が下りて、“予想外の状況が発生しました。確認のためしばらくお待ちください。”というアナウンスが。
会場は一瞬どよめきましたが、ここはpatience(我慢強さ) がウリの紳士淑女の国。観客席で静かに30分ぐらい待ちました。
その後、何事もなかったかのように再開。さっきのアクシデントが嘘のように他はもう完璧で、すっかりオペラ座の世界に引き込まれてしまっていましたが、最後の最後まで心のどこかで大丈夫かな。という心配が残っていました。
でも素晴らしいかたちで最後までミュージカルを終えたキャストやスタッフたちに、終演後は観客席のほとんどの人が立って「ブラボー!」と拍手が鳴り止みませんでした。
ライオンキング組の2人も、自分達の席のすぐ横を動物が通ったよ!とか、嬉しそうに教えてくれました。
そんな感じで結果的に4人とも大満足の一日を過ごすことができました。